社交不安障害(SAD)

社交不安障害(SAD)とはどのような病気ですか?

人前でなにかをする、初対面の人に会うといった状況に自分がおかれた時、「緊張したり」、「不安を感じたり」することは、誰でも多かれ少なかれあるものです。
しかし、普通の人よりも強い「緊張」や「不安」を感じたり、それらの状況を「避ける」ことにより、毎日の生活や仕事に支障が現れたりする病気を「社交不安障害」または「社会不安障害」といいます。
この病気は近年注目されており、日本にも非常にたくさんの患者がいると言われています。そのなかには、「極度のあがり症」「性格の問題」にすぎないと思い込み、苦しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。しかし、社交不安障害は治療によって改善が期待できる病気です。
※SAD:Social Anxiety Disorder

SADの症状にはどういったものがありますか?

SADの患者さんには、以下のような症状が認められます。

  • 人前で話したり、自分が注目される場面で過度に緊張したり強い不安を感じる。
  • 人からどう思われているか不安になり、人前に出るのを避けたくなることがある。
  • 人前で文字を書かないといけないときに手が震えて字がうまく書けない。
  • 周囲の視線が気になる、目上の人に紹介されると息苦しさ、めまい、ふるえなどの症状がでる。
  • 電話に出ると声がふるえる、人前で電話をすると周囲の人が気になり会話ができない。
  • 他の人たちが既に着席している部屋に最後に入ることができない。
  • 同僚の意見に対して、賛成できないことをはっきりと言えない。
  • 注目の的になる(自分の誕生日会でのお祝いなど)のを避けてしまう。

SADの原因を教えてください

脳内のセロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れてしまうことで、神経が過敏な状態におかれ、過度に不安を感じやすくやるのではないかと考えられています。

治療法を教えてください

社交不安障害の主な治療法として、薬物療法と精神療法が行われています、程度、症状により、薬物療法および精神療法を組み合わせて行うこともあります。
薬物療法では、主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されます、その他に補助的な治療薬として抗不安薬やβ遮断薬が使われることもあります。