パニック障害
パニック障害とはどのような病気ですか??
わかり易くするために、具体的事例で紹介しましょう。
33歳のある女性のお話です。仕事を終え自宅でくつろいでいた時、突然心臓が激しくドキドキし始め、息苦しくなり、手足がしびれ、冷汗が出てきて、このまま死んでしまうのではないかと思うほどの強い不安に襲われました。救急車を呼び、病院に行き、診察と検査を受けたが異常は無く、しかもその頃には症状もほとんど無くなっていたので、そのまま帰宅しました。しかしその後も、動悸や息苦しさを伴う不安発作を繰り返すうちに、予期不安から一人で外出出来なくなりました。買物も一人で行けないので友人や知人に同伴してもらっている状態になっています。
パニック障害にはどのような症状がありますか??
パニック障害の中心症状はパニック発作であります。パニック発作とはアメリカ精神医学会の診断基準(DSM-IV)で定義されています。その中でパニック発作の具体的症状が次のように記載されてますのでご参照ください 〈パニック発作〉 『ある限定した時間内に激しい恐怖感や不安感とともに以下に述べる症状のうち4つ以上の症状が突然出現し、10分以内に頂点に達する。』
広場恐怖とはなんですか??
広場恐怖については次のように定義されております。
パニック障害の診断を教えてください
パニック障害の診断はDSM-IVでは次のようになっています。〈パニック障害の診断基準〉
パニック発作はどのようなときに起きますか??
原則的には何の誘因も無く起こります。しかしその発症の背景にはストレスフルな環境に置かれている場合が多いといわれております。発症としては次の3タイプがあるといわれています。
パニック障害の原因について教えてください
乳酸ソーダや炭酸ガスによって人工的にパニック発作を起こすことが出来ることやパニック障害の親族には発生率が高いなど家族遺伝性がわかっています。しかしはっきりした原因はわかっていません。
最近の研究ではノルアドレナリン、セロトニン、GABAなどの神経伝達物質がパニック障害の発生に関与していると言われています。
パニック障害はどの年齢に多いのですか?また性別発生率はどうですか??
青年期後期から30歳代半ばまでの発症が多いといわれています。また男性1に対して女性2,5の割合で女性に多いのです。そして6~7割の人にうつ病の症状が見られるといわれています。
治療法を教えてください
薬物療法が中心となりますが、精神(心理)療法・認知行動療法なども行われます。薬物はでは、三環系抗うつ薬・SSRI・抗不安薬等が用いられます。
パニック障害についてのアドバイスをお願い致します
早期発見・早期治療が望ましいのです。そして、適切な治療を根気よく行えば8割は治るといわれています。パニック障害の患者さんは心気的となっており、重大な病気が隠れていると思い各科の病院を転々とします。しかし、病院の検査では、器質的な異常や障害は見つからないので『単なる疲労でしょう』とか『自律神経失調症でしょう』とかいわれて、症状がなかなか改善せず、長期化し悩み苦しむことになります。 したがって、パニック障害の治療が出来る心療内科、神経科、精神科の専門医を訪ねることが大切です。専門医は適切な治療で治してくれます。
赤坂かとうクリニック
福岡県福岡市中央区大名1丁目9-30 福岡観光ビル5階
TEL:092-737-3917
Copyright (c) 2012 赤坂かとうクリニック , All Right Reserved .